ジンギを喰らう

旧友と久しぶりに呑みに行く。店はジンギスカンとお酒の幾寅(いくとら)
ラムしゃぶという珍しいメニューを出しているお店ということでも知られている。本日はラムしゃぶを予約してなかったのでジンギスカン。

この店の肉は、あの羊肉独特の臭味が無い。一言でいうと食べ易い。なのでガンガン食ってしまう。分厚い肩ロースや予めタレに漬け込んだバラ肉など
また店オリジナルのつけダレもあり、タレがなくなってくると、すかさず継ぎ足してくれる。なので更に食ってしまう。ちなみに食材は北海道直送。

他にジャガバタ塩辛のホイル焼きなどを勧められ迷わず注文。ジャガにイカの塩辛というB級グルメかと思いきや、すげー合う。ホイルの中の汁をすくってゴハンかけるとターボ全開。なので二人ともご飯をおかわり。呑みにきてるのに。結局あまり話しもせず、ひたすら食いまくって店を出る。

会う場所が変わっただけで、俺達はまったく成長していないことを確認しあう。時が止まったままのダメ人間。それもまた良し。

その後、腹を落ち着かせるためにドトールに入る。しかしミルクレープを食べる。そしてやっとしやべりがメインになる。話題は俺達の故郷の話。なんと若き日に遊んだ界隈は、今や風俗関係、またその周りにいる連中に蹂躙されてしまっているという。俺はもう5年余りその辺りには訪れていない。あれやこれや話をして別れる。次に呑むのは来年か再来年かもな。

帰宅の電車、揺れる車内で故郷に思いを馳せていた。その界隈は、繁華街に沿って小さな小川が1本流れていた。賑やかなエリアだったが、その川にゴミはなく、キレイな水が流れていた。ゴミの代わりに悩みや怒りを捨てていたからだ。俺だけではなく、誰もが同じだったから、小川の水は澄んでいた。俺は呼び込みの兄ちゃんであり、くたびれた靴で座り込んで泣いているあの娘は、俺だった。ちょうど今頃の季節、繁華街の小川の道は、夜風に柳が揺れているはずだ。

いくつもの景色を思い出すことができる。しかしそれは五年前の記憶ではなく、祖父が話す思い出話のように、遠いものになってしまっていた。だが、別に哀しくもなければ格別な感情があるわけでもない。ただ走る窓から過ぎ去る景色、そこに時間を見ただけだ。

あーやばい。ウエットモードになってもうた。口直しのジンギスカンに懐かしのコレやな。

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